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by vMUGIv
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三島由紀夫 その9

◆31歳 文学座入団。
◆35歳 映画『からっ風野郎』主演。主題歌レコードも作る。
◆37歳 文学座分裂、三島は残る。
◆38歳 文学座を脱退。
◆40歳 映画『憂国』主演、切腹シーンあり。
◆44歳 映画『人斬り』に出演、切腹シーンあり。


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女優 岸田今日子

三島さんは本当に育ちのいい坊ちゃんという感じですごく折目正しかったですね。
ダンスなんかもちゃんと作法通りのステップで踊るわけね。
あの方は学習院から東大でしょ。きちんとした人たちとつきあってらしたと思うの。
だから私たちみたいにあまりお行儀の良くない学生と遊ぶのは楽しかったみたい。
ご自分が頭が良くて教養があって育ちが良かったでしょ。
だから育ちが悪くて強くて頭なんかないって男の子が理想だったんじゃないかしらね。
そういう子が好きっていうより、もう本当に自分がそうなりたかったんじゃないかと思うのね。

三島さんは文芸部員として文学座にいたんだけど、
あの頃の文学座は三島さんにとってとても楽しい息抜きの場だったと思うわ。
出版関係の方たちっていうのは三島さんに対していつも「先生」だったと思うの。
でも私たちはどもまでも「三島さん」だったし。
三島さんはチヤホヤされるだけじゃつまらなくて、いじめられたがっていたわけね。
ヨイショするチヤホヤじゃなくて、悪口を言っていじめてあげてたわけね。
みんなに笑い者にされるのをちょっと楽しんでたみたいですね。
下手だとかブキッチョだとか言われても全然怒んなくてとっても楽しそうだったわ。

三島さんのお宅で『からっ風野郎』〔三島主演〕の試写会をやった時には
みんな思いっきり悪口を言ってね。
三島さんは「ひでえなぁ」とか言いながらすっごく嬉しそうなの(笑)
だってあんなの誉めたらかわいそうって感じで本当に下手だったし(笑)、
ご自分ではそれは充分わかってるわけね。

結局私は三島さんを裏切る形で文学座を出ちゃったんですね。
それは私自身の中でも大きな傷になってのこってるんですけど。
福田恒存さんが文学座の若い男の人たちと図って劇団雲を作ることになって
私たちを誘ったわけです。
私は三島さんと一緒に行動したいと思ってたんで、福田さんにそう言いました。
そしたら福田さんは、もちろん自分は三島さんを誘って一緒にやりたいと思ってる、
だけどこれは俳優の口からは三島さんに言わないでほしいって言われたんです。
福田さんと三島さんはすごく仲も良かったし、福田さんからちゃんと誘ってくだすった方が
きっといいんだろうなと思って、私は三島さんに何も言わなかったわけですね。
そしたら福田さんは劇団雲ができるってことが新聞に発表になる前の夜
初めて三島さんを誘ったんですね。それまではまったく秘密で動いていたわけ。
私は三島さんにはもっと早く誘いかけてらっしゃると思い込んでいたのに
そうじゃなかったのね。
三島さんはもちろんプライドのある方だから、
そんな風には動けないって言って結局別れちゃったんですよね。
私は撮影で京都にいたんですけど、そういう新聞発表があって
三島さんが文学座に残るって書いてあるのを読んで本当にびっくりしたんですよね。
だけど、これから一緒に芝居を作っていかなければならない人たちが
芥川さん以下みんな劇団雲に行くことになってましたから、
今さら私が入るのをやめますって言うことはできなかった。
それで京都から帰ってすぐ三島さんのところに行って
「こういうことになるとは思わなかった」と言って謝ったんです。
そしたら三島さんは「双頭の鷲っていうのは成り立たないんだよ」っておっしゃったのね。
ご自分と福田さんのことなんだけど。
そして「きっとそのうちまた一緒に仕事をすることもあると思う」って言われて。
私はもう本当に悲しかったんですけど、「ごめんなさい」って言って帰ってきました。
その後『喜びの琴』の上演中止事件とかいろんなことがあって、
三島さんも文学座を出ることになったわけです。

私は三島さんが芝居というものからだんだん離れて行くことになった最初のきっかけは、
やっぱり劇団雲の事件だったと思うんですね。
大勢の人たちがほとんど文学座から出ちゃったわけですから、
三島さんが裏切られたと思っても仕方のないことだったと思うのね。
それにはいろんな理由があったにせよ、三島さんが芝居とか劇団とか俳優たちに対して
失望を感じたことの最初だったんじゃないかと思うんですね。

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俳優 北見治一

福田恒存から羽田の飛行場で「どうだ、僕の軍門に下るか」と言われた三島はNLTの結成を急ぐ。

この言葉に子供のようにカッカとムキにさせられた三島は、そんな福田の鼻をあかすべく
福田がアメリカから帰国する前に劇団としての実績を早急に作っておきたかったのだろう。

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親友・仏文学者 村松剛

三島も〔文学座の〕分裂に関して、事前になにも聞かされていなかった。
福田氏に対するわだかまりが生じたのはやむを得なかったかもしれない。

文学座が『喜びの琴』の上演を拒否し、三島自身が文学座を辞めてからあと、
氏が三島に「どうだ、僕の軍門にくだるか?」 軽い冗談のつもりだったらしい。
だがこの冗談が、三島の心にくすぶっていたわだかまりを一挙に爆発させる。
三島と福田さんの仲違いはそれから2、3年尾を引き、
間に挟まってこちらは時に閉口したものだった。

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32歳 文学座『ブリタニキュス』に出演
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35歳 映画『からっ風野郎』主演
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三島由紀夫作詞・歌の主題歌レコードもございます。
マンボのリズムに乗せて、からっ風野郎!のところは囁くようにどうぞ。
夢も涙も吹き飛ばし 人でなしでも人の子さ からっ風野郎! 明日も知れぬ命
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40歳 映画『憂国』主演、切腹シーンあり
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41歳 日生劇場『アラビアンナイト』に出演、歌う 
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44歳 映画『人斬り』に出演、切腹シーンあり
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by vMUGIv | 2011-03-09 00:00 | 昭和戦後
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