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夏目漱石 その9

●長女 筆子 作家松岡譲夫人
●二女 恒子 江副養蔵と結婚離婚
●三女 栄子 生涯独身で母鏡子の世話をした
●四女 愛子 仲地夫人
●長男 純一 バイオリニスト
三田村平凡寺の娘・ハープ奏者 三田嘉米子と結婚→子は夏目房之介
●二男 伸六 慶応大学独文科中退、文芸春秋社を経て随筆家 妻は信子
●五女 雛子 早逝


左から 伸六 漱石 純一
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左から 純一 愛子 筆子 恒子 栄子 伸六
枠内 雛子
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立つ左から 筆子 筆子の夫松岡譲 漱石の三兄夏目和三郎/直矩
座る左から 栄子 愛子 恒子
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雛子
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漱石の子供たちに対する態度は3グループに分かれる。

第1グループ 長女筆子&二女恒子 上の姉妹グループ
第2グループ 三女栄子&四女愛子 下の姉妹グループ
第3グループ 長男純一&二男伸六 兄弟グループ

筆子と恒子は「筆、恒」と呼び捨てであったのに対して、
栄子と愛子は「栄子さん、愛子さん」とさん付けで呼んでいた。
他の面でも上の姉妹グループと下の姉妹グループへの態度は天と地ほど違った。
兄妹グループは男子でもあったためか、上と下の中間といった態度であったようだ。


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漱石の孫/漱石の長女筆子の娘 松岡陽子マックレイン

母は少しずつボケてきて、昔よく知っていた人々のこともほとんど忘れてしまっていた。
四六時中献身的に世話をしていた私の妹のことさえもう見分けがつかないほどだった。
それにもかかわらずただ一つ母が忘れなかったことは、
自分の父親がいかに怖かったかということであった。
漱石の肖像のついた千円札を母に見せて「これ誰だかわかる?」と聞くと、
「お父様でしょう。とても怖かったわ」と、
まるで昨日のことのように言うので私も驚いてしまった。

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漱石の二男 夏目伸六

私が相応に物心がついてからの父については、
不幸にして、ただ恐ろしかったという記憶のみ鮮明である。
私ばかりでなく他の兄弟達も、当時の思い出はいずれ私と大差ないと思う。
ただ、私等兄弟のうちで、たった一人、少しも父をこわがらなかった子供がいる。
すぐ上の愛子という姉で、父の胸には、外の子供に比較して、
自分を少しも恐れぬこの子供の気持ちが、特に敏感に映じたのではないのか、
とにかく、父はこの姉を一番可愛がっていたようである。
この姉はよく父と一緒に寝たりしていた。
恐らく、私等兄弟の中で、ほとんど父から怒られたことのないのは、この姉だけで、
それはむしろ、それ自身私等には非常に不思議な事実としか思えないのである。

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漱石の孫/漱石の長女筆子の娘 松岡陽子マックレイン

祖母も母も叔父伸六も皆一様に、
四女の愛子が漱石の一番のお気に入りだったと言っている。
愛子という叔母は小さい頃ざっくばらんに何でも言える子で、
父のこともあまり怖がらず、平気で何でも言ったそうである。
母を「筆」と呼び捨てにするのに、この叔母のことは「愛子さん」と「さん」までつけて
優しい声を出して呼んだと母から聞かされた。

私は当時まだ健在だった叔母栄子と叔母愛子を訪ねた。
漱石のことが話題に上った時、
「叔母様たちは、ことに愛子叔母様は
お祖父様にとても可愛がられたそうだから、ちっとも怖くなかったのでしょう?」と聞いた。
驚いたことに、二人の叔母が同時に
「怖かったわよ。だっていつ突然怒られるかわからなかったんですもの」
と反射的に言い返してきた。
二人の叔母からこの答えを聞いた時、
漱石はなんと孤独な人だったのだろうとつくづく気の毒に思った。
家族の誰一人として、彼を恐れなかった人がいなかったのだから。

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枠内左から 鈴木三重吉 森田草平
後列左から
松根東洋城 森成麟造 東新 漱石 野上豊一郎 安部能成
前列左から
恒子 鏡子夫人 純一 愛子 筆子 栄子 小宮豊隆 坂元雷鳥 野村伝四
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3列目左から
小倉庫次 岩波茂雄 不明 不明 松根東洋城か 高浜虚子か 不明 不明 松浦嘉一 不明
2列目左から
千鶴子の夫 直矩二男孝 中根倫の妻 森田草平 真鍋嘉一郎か
小宮豊隆 野上豊一郎 鈴木三重吉か 阿部次郎か 中根倫長男岡一 
1列目左から
鏡子夫人の姪鈴木蕗子 中根梅子 直矩二女千鶴子 愛子 栄子 恒子 伸六
鏡子夫人 松岡譲 筆子娘陽子 筆子 筆子娘明子 近所の人 筆子息子聖一 
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by vMUGIv | 2011-02-09 00:00 | 明治
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